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カネルブッレ日本では「シナモンロール」ともKanelbulle レシピ

kanelbulleカネールブッレ

地域
北欧(スウェーデン)
分量
24個(底の直径約5cmの紙カップ使用)
難しさ
ふつう
公開
白い紙カップに入ったスウェーデンのシナモンロール。照りのある焼き色にパールシュガーがのり、手前のひとつはちぎって渦巻きの断面が見える。奥にコーヒー

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カネルブッレは、スウェーデンのシナモンロールです。カルダモンの香る生地に、バターと砂糖とシナモンを練ったフィリングを巻き込み、小さく切って焼きます。上にのせるのは、焼いても溶けにくい粒状の砂糖「パールシュガー」。アイシングはかけません。

ひとつは手のひらに収まるくらいの大きさで、高温で10分ほどで焼き上げます。表面は香ばしく、中はしっとり。スウェーデンの家庭で何度も焼かれてきた作り方を、日本の家庭のオーブンで再現します。

カネルブッレとは

スウェーデン語で kanelbulle(複数形は kanelbullar)。kanel は「シナモン」、bulle は「小さなパン」という意味です。スウェーデン語では kanel の「エ」を長くのばし、「カネールブッレ」に近く発音されます。日本では「シナモンロール」と呼ばれることが多い菓子パンです。

1920年代に今の形に

スウェーデンのスーパー大手 ICA の記事によると、「カネルブッレ」と呼ばれる小麦のパンは1850年代から記録に残っています。ただ、今のような形になったのは1920年代ごろとされています。第一次世界大戦が終わり、材料が手に入りやすくなった頃です。はじめは高価なぜいたく品でした。

公共放送 SVT の記事も、1920年代の生まれで、広まったのは1950年代としています。西スウェーデンの観光局は、1920年代にまずパン屋で焼かれるようになり、家庭に広まったのは第二次世界大戦のあとだと紹介しています。ICA は、1950年代にバターが安くなって、買うのも焼くのも盛んになったと書いています。

SVT によると、1950年代には巻き貝の形、三日月形、切り込みを入れた形、プレッツェルのような形など、いろいろな形がありました。1960年代からは、外で働く女性が増えたこともあり、巻いて切り、切り口を上にして焼く、早くできる形が広まったといいます。

10月4日は「カネルブッレの日」

スウェーデンでは10月4日を「カネルブッレの日」(Kanelbullens dag)としています。家庭のパン作りを広める業界団体「ヘムバークニングスローデット」(Hembakningsrådet、家庭製パン協議会)が、1999年に始めました。西スウェーデンの観光局や Visit Sweden は、協議会の設立40周年に合わせたものだと紹介しています。

SVT によると、言い出したのは当時の同協議会のプロジェクトリーダー、Kaeth Gardestedt さんでした。家庭でパンを焼く人を増やすとともに、小麦粉やイースト、マーガリンの売り上げを伸ばす狙いもあったと報じています。西スウェーデンの観光局によると、日付は、ほかの食べ物の日と重ならないように選ばれました。

カネルブッレのレシピ:材料(24個(底の直径約5cmの紙カップ使用))

生地づくり 2時間30分(2回の発酵を含む)焼き 20分(12個ずつ2回に分けて焼く)難しさ ふつう

生地

  • 牛乳300ml
  • 生イースト(ドライイーストの代用は下の節に)30g
  • 強力粉(スウェーデンの vetemjöl(たんぱく質約10%)の代わりに薄力粉と半々で)250g
  • 薄力粉250g
  • グラニュー糖75g
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • カルダモン(さやから出した種を粗くつぶしたもの)4g(小さじ2)
  • バター(室温で柔らかくする。有塩・食塩不使用のどちらでもよい)(Amazon|楽天)90g

フィリング(fyllning)

  • バター(室温で柔らかくする)100g
  • グラニュー糖60g
  • シナモンパウダー8g(大さじ1と1/3)

仕上げ

  • 全卵50g(Mサイズ約1個)
  • パールシュガー(スウェーデンの粒の小さいもの(pärlsocker))(楽天)30g

打ち粉

  • 強力粉20g

道具

  • デジタルスケール(カルダモンと塩を量るのに0.1g単位のものが便利)(Amazon|楽天)
  • すり鉢(カルダモンの種をつぶす)
  • めん棒
  • 紙カップ(底の直径約5cm、24個。なければオーブンシートを敷いた天板に並べる)(楽天)
  • 刷毛
  • 中心温度計(あれば焼き上がりの確認に)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 牛乳でイーストを溶かす

    牛乳300mlを37℃(人肌)に温める。大きめのボウルに生イースト30gを細かくほぐして入れ、牛乳のうち30ml(大さじ2)を加えて混ぜ溶かしてから、残りの牛乳を加える。

  2. カルダモンをつぶす

    カルダモンのさやを割って種を取り出し、すり鉢で粗くつぶして4gを量る。さやの数は大きさで変わるので、重さで量る。

  3. 粉とバターを合わせる

    1のボウルにグラニュー糖75g、塩3g、カルダモン4g、柔らかくしたバター90gを小さくちぎって入れる。強力粉250gと薄力粉250gを少しずつ加えながら、粉っぽさがなくなるまで手で混ぜる。

  4. こねる

    台に出して10〜15分こねる。はじめは手にくっつくが、粉は足さない。表面がなめらかでつやが出て、2cm角ほどちぎって指で薄くのばすと、破れずに向こうが透ける膜ができればよい。

  5. 一次発酵

    生地を丸めてボウルに入れ、ラップか固く絞った布巾をかける。25〜30℃の暖かい場所で40〜60分、2倍ほどの大きさになるまで発酵させる。

  6. フィリングを作る

    柔らかくしたバター100g、グラニュー糖60g、シナモンパウダー8gをゴムべらで練り混ぜ、塗りやすいペーストにする。溶かさない。

  7. 生地をのばす

    台に打ち粉(強力粉20g)をふる。生地を軽く押してガスを抜き、2等分する。1つずつ、めん棒で25×30cmの長方形にのばす(厚さは6〜7mmほどになる)。

  8. フィリングを塗って巻く

    フィリングを半量ずつ、生地の端まで薄く均一に塗る。長い辺(30cm)から手前に、すき間ができないようにきつめに巻き、巻き終わりをつまんで閉じて下にする。

  9. 切り分ける

    1本を2.5cm幅で12等分する。木綿糸を生地の下に通して上で交差させ、左右に引いて切ると渦がつぶれない。切り口を上にして紙カップに入れ、天板に12個ずつ並べる。

  10. 二次発酵とオーブンの予熱

    乾いた布巾をかけ、30〜40分、ひとまわり大きくなり、指で軽く押すとゆっくり戻るまで発酵させる。2枚目の天板は涼しい場所に置いて、発酵をゆっくり進める。発酵の終わり20分前から、オーブンを220〜230℃に予熱する。

  11. 卵を塗ってパールシュガーをのせる

    全卵50gをよく溶き、刷毛で表面に薄く塗る(2回に分けて使う。使い切らなくてよい)。パールシュガー30gのうち15gを散らす。

  12. 焼く

    中段で8〜10分焼く。表面と側面がこんがりした茶色になり、1個の紙カップをはがして見て底にも焼き色がつき、中心温度が94〜98℃なら焼き上がり。天板と溶け出た砂糖はとても熱いので、厚手のミトンで扱う。2枚目も残りの溶き卵を塗り、パールシュガー15gを散らして同じように焼く。

  13. 冷ます

    網にのせ、乾いた布巾をかけて冷ます。布巾をかけると表面が乾きにくい。

スウェーデンでは「フィーカ」(コーヒーと甘いものでひと息つく時間)に、いれたてのコーヒーと一緒に食べるのが定番です。

料理科学:甘くてバターの多い生地をふくらませる

イーストを多めにし、牛乳は37℃に

スウェーデンのレシピは、粉に対して約6%と、多めの生イーストを使います。砂糖が多い生地では、砂糖が水を引きつけ、イーストの細胞から水分を奪うので、発酵がゆっくりになります。イーストを多めにするのはそのためです。小麦粉メーカー Kungsörnen は、甘い生地用のイーストを指定しています。

牛乳を37℃前後に温めるのは、イーストがよく働く温度に生地を近づけるためです。熱すぎるとイーストが弱り、50〜60℃を超えると死にはじめます。指を入れて、ぬるいと感じるくらいが目安です。

砂糖とバターが多いので、膜ができるまでこねる

小麦粉に水分を加えてこねると、粉のたんぱく質がつながって「グルテン」という網目ができます。この網目が、イーストの出すガスを風船のように閉じ込めて、生地をふくらませます。

バターの脂は、たんぱく質の表面を覆って、つながるのを邪魔します。砂糖も水を奪い合うので、グルテンはできにくくなります。カネルブッレの生地は砂糖もバターも多いので、網目ができるまでに時間がかかります。この記事で読んだスウェーデンのレシピ7件は、どれもバターを最初から入れていました(柔らかいバターを粉と一緒に入れるものと、溶かしたバターを牛乳と一緒に入れるものがあります)。この記事も柔らかいバターを最初から入れます。手ごねの時間を書いている ICA と Kungsörnen のレシピは、10〜15分としています。時間よりも、薄くのばして膜ができるかどうかで判断します。

カルダモンは種をつぶして入れる

カルダモンの香りの成分は揮発しやすく、粉にすると早く抜けていきます。スウェーデンのレシピの多くは、粉末ではなく、さやから出した種をつぶして使います。使う直前につぶすと、香りがいちばん強く残ります。

料理科学:高い温度で短く焼く理由

この記事で読んだスウェーデンのカネルブッレのレシピ7件は、どれも225〜250℃の高温で、5〜12分と短く焼きます。小さく切ったカネルブッレは、中まで熱が届くのが速いからです。

表面は高温で一気に温度が上がり、生地の糖とたんぱく質が反応するメイラード反応や、砂糖が焦げるカラメル化で、すぐに焼き色と香ばしさがつきます。表面に塗った卵も、焼き色を濃くします。そのあいだに中心は94〜98℃に達し、デンプンが水を吸ってふくらむ「糊化」が進んで、ふんわりとした生地に固まります。

低い温度で長く焼くと、焼き色がつく前に水分が抜けて、パサついた生地になります。フィリングのバターが溶けて流れ出る時間も長くなります。スウェーデンで「saftig」(しっとり、ジューシー)と言われるカネルブッレにするには、熱いオーブンで短く焼き上げます。

成形の違い:巻く形と結ぶ形

この記事の作り方は、巻いて切る「巻き貝」の形です。スウェーデンでは、ひもを結んだような形もよく見られます。同じ生地とフィリングで、次のように作れます。

  1. 手順7で25×30cmにのばした生地の全面にフィリングを塗り、長い辺どうしを合わせるように半分に折って、12.5×30cmにする。
  2. 2.5cm幅で12本に切る。
  3. 1本ずつ両端を持ち、軽くのばしながらねじる。指2〜3本に巻きつけ、端を中心の穴に通して下に押し込む。
  4. オーブンシートを敷いた天板に並べ、手順10から同じように発酵させて焼く。

ICA の「カネルスヌッロル」(Kanelsnurror)は、焼き上がりに砂糖と水を煮たシロップを塗って、つやを出します。ICA のカルダモン入りのレシピは、フィリングにもカルダモンを入れています。

アメリカのシナモンロールとの違い

ICA は、アメリカ式のシナモンロールのレシピとして、生地を型に12個並べて一緒に焼き、型のまま15分ほどおいてから粉砂糖のアイシングを塗る作り方を紹介しています。

この記事で読んだスウェーデンのカネルブッレのレシピ7件は、どれも1個ずつ紙カップか天板にのせて焼き、溶き卵を塗ってパールシュガーを散らしていました(Kungsörnen は刻んだアーモンドでもよいとし、ICA のカネルスヌッロルは焼いたあとにシロップも塗ります)。アイシングをかけるものはありませんでした。生地にカルダモンを入れるのもスウェーデンらしいところで、7件のうち4件が入れ、1件は好みで入れるとしていました。

手に入りにくい材料の代用

  • 生イースト:インスタントドライイースト10g(小さじ3強)で代用できます。手順1で牛乳に溶かさず、手順3で粉と一緒に加えます。砂糖の多い生地なので、「耐糖性」と書かれたものが向いています。
  • パールシュガー:製菓材料店や通販で手に入ります。ワッフル用の大粒のものより、粒の小さいものが合います。手に入らないときは、角砂糖30gを厚手の袋に入れ、めん棒で数mmに砕いて使います。Kungsörnen のレシピは、刻んだアーモンドをのせる方法も紹介しています。
  • カルダモンの種:カルダモンパウダー4g(小さじ2)でも作れます。香りは種をつぶしたものより弱くなります。
  • 紙カップ:なければ、オーブンシートを敷いた天板に間隔をあけて並べます。焼くと横に広がるので、天板1枚に10〜12個までにします。

失敗したときは

  • 底が焦げた・フィリングが流れ出た:オーブンの下の熱が強すぎるか、フィリングのバターが溶けていた可能性があります。ICA の250℃で焼くレシピにも、焦げたという声が多く寄せられています。次に焼く天板からは温度を220℃にし、早めに紙カップをはがして底の色を確かめます。フィリングは溶かさずにペーストのまま塗り、巻くときはすき間をあけないようにします。
  • パサついた・固い:焼きすぎか、こねるときに粉を足したことが考えられます。焼き色と中心温度で早めに取り出し、生地がべたついても粉は足さずにこね続けます。
  • ふくらまない・重い:牛乳が熱すぎてイーストが弱ったか、発酵が足りなかった可能性があります。部屋が寒い日は、発酵に時間がかかります。時間ではなく、大きさで判断します。
  • 渦がつぶれた・ほどけた:包丁で押し切ると渦がつぶれます。糸で切り、巻き終わりを下にして紙カップに入れます。

保存

  • 常温:冷めたら袋に入れて口を閉じ、翌日まで
  • 冷凍:1個ずつラップで包み、冷凍用の袋に入れて2か月まで(Arla は冷凍で2〜3か月としています)。室温で解凍し、オーブントースターで1〜2分温めます

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。